今回は、魏のマイナー武将の一人
「田豫(でんよ)」
についてご紹介いたします。
「田豫って誰!?」
ご存知ない方がいるのも致し方ありません!
聞き覚えもなければ、アニメやゲームでもまず見かけることがないキャラクターです。
でも、この人物のことを知れば知るほど…
「え!?超優秀じゃん!」
「劉備と一緒に活躍したらどうなったんだろう!?」
と思うこと間違いありません。
ぜひ最後まで御覧ください!
田豫簡単プロフィール
出身地:幽州漁陽郡雍奴県
生年月日:不明
没年:不明(享年82歳)
劉備が認める名将の素質
田豫の幼少期や、少年期の記録は残っていないためどんな生涯かはわかりません。
初めて名前が出てくるのが、
「黄巾の乱」
が起きたときになります。
ちょうどそのころに田豫の地元で義勇軍の募集があり、その募集に参加することになります。
その募集に参加したのが
「劉備(りゅうび)」
「関羽(かんう)」
「張飛(ちょうひ)」
「簡雍」(かんよう)
といった、三国志のお話でも中心人物の面々と顔をあわせることになるのです!
特に劉備とは意気投合!
公孫瓚の元で劉備が働いていたころも、田豫は劉備の部下として各地を転戦。
その働きぶりに劉備も
「君本当すごいね♫」
と高く評価します。
しかし、別れはすぐに訪れてしまいました。
劉備が陶謙の救援に応じて徐州に行く際
「君も来てくれないか?」
と言います。
しかし田豫は…
「もう母親も高齢で、面倒を誰かが見なければ親不孝者となります。お誘いは嬉しいのですが、私はついていけませぬ…」
と、断ってしまいます。
これに劉備も涙を流しながら
「君と一緒に大事を成せないのが本当に惜しい…!」
と漏らしたと言います。
その後も「公孫瓚(こうそんさん)」の元で働くこととなる田豫。
田豫は持ち前の才覚で活躍することになるのですが、公孫瓚にはその優秀さが目障りだったのか、あまり活躍の場を与えてもらえないなど、冷遇されてしまうのでした。
※田豫の優秀さがわかるエピソードその1
この頃、公孫瓚の部下の王門が反乱を起こして1万の軍勢で攻めてきました。
その王門が城へともう間近に迫ってくる中、田豫は城門に立って王門を非難!
弁舌で王門を丸め込み、自分の行いが恥ずかしくなった王門は撤退することになります。
このことから、敵前に出る度量と弁舌で相手を丸め込めるほど頭がよく回るのがわかりますよね!
曹操軍へ参加し、頭角を表す
「袁紹(えんしょう)」によって公孫瓚が滅ぼされ、主を失った田豫。
ちょうど同じ頃、旧友であり戦友の
「鮮于輔(せんうほ)」から相談を持ちかけられます。
鮮于輔は
「もう公孫瓚様もおらず、今士官をするとしたら誰がいいだろうか…」
と考え、迷っていたのです。
すると田豫は
「それなら、曹操(そうそう)様がいいだろうね。」
と答えます。
それを聞いた鮮于輔は
「そうか!曹操様か!!君が言うなら間違いないかもしれない!君もぜひ一緒に来てくれ!」
こうして田豫は曹操の配下になることとなります。
曹操軍に参加した田豫は各地の治安維持に努め、その後曹操の息子、「曹彰(そうえい)」と一緒に北の異民族の討伐に向かいます。
この戦いで田豫は数々の功績を遺し、その後も北からの驚異に対処することになるのです。
※田豫の優秀さがわかるエピソードその2
北の異民族、烏桓族を討伐することとなるのですが、曹彰が率いる軍は易水という場所で奇襲を受け、窮地に立たされます。
その際、田豫は
「戦車隊で円陣を組み、防御体型で敵を迎え撃ちましょう!」
と進言。
曹彰はすぐにその進言通りに戦車隊で円陣を組むと、敵は打ち崩すことができずに撤退していきます。
さらに田豫たちはこのまま追撃!
そうして大勝を収め、この働きに曹操からの信頼も熱くなったのだとか。
更に、田豫は数千人の反乱で山賊となった者たちに、仲間を囚われてしまいます。
その山賊たちに田豫は自ら説得に行き、たった一日で賊を解散させることに成功します。
この2つの出来事だけでも、田豫はただ弁舌がうまいだけでなく、知略を持って勝利を導いているのがわかりますね。
曹操亡き後も活躍する田豫
曹操が亡くなり、息子の「曹丕そうひ」が皇帝となって「魏」を建国。
もちろん田豫も曹丕の元に仕えることになります。
この時も田豫は北の国境の警備をしていました。
北には「烏桓族(うがんぞく)」だけでなく、「鮮卑族(せんぴぞく)」などの
異民族の国や領土があったため、度々魏は攻められている状態でした。
こうした状態に田豫は、それぞれの烏桓族や鮮卑族といった異民族が結託しないよう、互いに争わせるように対立構造をつくるように仕向けます。
魏に有効的な異民族には援軍や物資の支援をし、敵対している部族も壊滅まで追い込まないよう、ギリギリの調整をしたいました。
こうして国境地帯は安定していき、さらには田豫が頻繁に異民族とも交友をすることで信頼関係を築き、長らく国境沿いは平穏を保つこととなります。
※田豫の優秀さがわかるエピソードその3
烏桓族の王が「骨進(こつしん)」という王に変わったとき、再び大軍を率いて魏に攻めてきました
これに対して田豫は、まずは話し合いの会合を持とうと提案。
100騏ほどで出向いて骨進に会いにいったのです。
会合を開いて骨進と対面した田豫はすぐさま骨進を斬り、みごと打ち取ります!
鮮卑族の前で骨進を見事討ち取ったことを伝えると、統率がなくなった軍は解散!
この出来事で北方の異民族たちは田豫のことを尊敬と恐怖が入り混じった眼差しを向けるのでした。
やめさせてもらえない田豫
栄光の時代も長くは続かず、田豫は北方の守りから9年ほどで汝南の地域に左遷させられます。
(王雄という人物の一派と対立したことから、讒言を受けたため。)
さらには程喜という人物から軍権を奪われたり、戦利品を国庫に収めていないなど、度々対立することがありましたが、それでも田豫は転戦した先で数々の武功を上げていきます。
ある時、遼東半島の公孫淵が反乱を起こし、魏は軍勢を出すことになります。
勢いよく攻めたい諸将たちに対し、田豫は道中で賊が船に乗ってやって来ると予想。
「このまま行くと危険だ。ひとまずはここで待機して賊を待ち受けましょう。」
しかし、この提案に他の将たちは相手にしません。
かまわず前進しようとしたところ、漁船に見せかけた賊に襲われることとなり、田豫の予想が的中したのでした。
また、孫権が10万の軍勢で合肥城を攻めてきた際には、すぐ救援にかけつけようと他の諸将たちが動いていました。
しかし田豫は、
「まず城を攻めさせて相手が疲労したところを突きましょう。そのうち相手もこちらの意図が分かり、すぐに撤退するはずです。」
と言って、あえて救援しなくても勝手に敵が撤退すると宣言。
すると、その予想は的中。
田豫に対して各所将たちの信頼も熱くなっていったのです。
こうして活躍していった田豫も、70歳を超えたころ。
そろそろ引退を考えていたものの、当時の上司だった「司馬懿(しばい)」から退職を拒否されます。
何度も拒否されるので、田豫は
「もうこんな年寄りが、官位に就いていること事態が罪深いことなのです。後は後任の者にまかせてください。」
といい、さらに自分は重病であると伝えます。
それほどまでに田豫の力を、当時の司馬懿も信頼していたんでしょう。
こうして田豫は当時としては高齢の82歳で天寿を全うすることになります。
質素な生活を送った田豫
田豫は数々の武功を上げていますが、対蜀、対呉などの戦いに直接関わっていないので、あまり目立った活躍はありません。
しかし上記したように、田豫の活躍は表舞台では見られないけれども、もっと評価しても良い位大きな活躍と功績を遺しているのが伝わったはずです!
当時でも田豫は魏の国内でも高く評価されており、魏の三代目皇帝「曹叡(そうしょく)」や司馬懿なども、その知謀や見識については高く評価していました。
それほど評価されている人が表舞台に名前が上がらない理由としては、彼の私生活も関係していかもしれません。
田豫は獲得した戦利品については自分の部下たちに与え、田豫自身は戦利品をとらなかったそう。
さらに異民族からの献上品も、自分の懐にいれることなくしっかりと国に収めていました。
そのため田豫は、その役職の割に慎ましい生活を続けていたようです。
その他治めていた地域の人たちからも、法を守って公平な態度で職務に当っていたため、民からの信頼も熱かったと言われています。。
でもあまりにも質素な生活をしているので、農作物やお金の援助をしようと民は動き出しますが、田豫はその全てを丁重に断ってしまいます。
それだけでなく、しっかりと返却して自分たちで使ってほしいと伝えると、より一層慕われたのだとか。
こうした田豫の性格に、劉備も曹操も惹かれていたのかもしれませんね。
筆者感想&まとめ
田豫に関しては文献が少なく、北方の守りで活躍したくらいでしかその活躍を見ることができません。
しかし、田豫は筆者お気に入りの武将の一人!
特に「三国志14」ではその能力の高さに度々お世話になりました!
彼のゲーム上での能力値はこちら!
知力や政治力もそこそこ高い武将のため、(文官クラスと言っても過言ではないくらい高い!)内政面でも大活躍!
ちなみに比較として、彼の友人「劉備」の能力値はこちら
魅力以外、対して大差なし!
むしろ統率力や知力が高いため、単純な戦闘では「田豫」の方が優秀まであります!
ただ、その他スキル面では対異民族系に特化しているので、スキル的には劉備の方が優れているということもあり、両者一長一短のキャラクターになっていますね。
ただ、戦闘に出しても普通に活躍できるキャラクターなので
「なんでも屋!!!」
として活躍させやすいのが魅力的です!
また彼自身の性格は、義理人情に熱く民や部下を思いやるという
「力も知力も性格もいい、本当出来杉君レベル!」
と言えます!
そんな田豫をもっともっと評価してほしいと筆者は考えています。
今後「三國無双シリーズ」でも、ぜひ参戦してほしいですね!!
……けど有名な戦いには参加してないから…きびしいか…
今回はここまで!!
それでは!!
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